USBメモリーからのマルチブート(怪しい Selgei Strelec)

バックアップソフトやシステムツールではUSBメモリーからのブートが必要なものがあります。

例えば、私は「TeraByte Image for Windows」と「Macrium Reflect」の2つで交互にバックアップをしているものですから、復元するときにはそれぞれの UEFIブートUSB メモリーが必要となります。

さらに、家人が結構古いレガシーBIOS起動のPCを使っているので、このマシン用に BIOS 起動 USB メモリーを用意する必要もあります。

都合4本の USB メモリーというのはさすがに非効率です。

そこで1本でマルチブート、さらに UEFIBIOS 両者対応の USB ブートを目論んでいろいろ試してみました。


素人が簡単に作成できそうな
「Ventoy」https://www.ventoy.net/en/index.html

「WinsetupfromUSB」http://www.winsetupfromusb.com/

でチャレンジしましたが、結論から言うと駄目でした。

大多数のブートディスク ISO はうまく導入できますが、私が使いたい「TeraByte」をはじめいくつかの ISO はベンダーが独自のブートローダーを組み込んでいるので、ひとつだけ直焼きすると問題がなくても「Ventoy」や「WinsetupfromUSB」に乗せてマルチブートしようとするとブートメニューに表示されなかったり、表示されても起動しないというトラブルに陥ります。

海外でもこういう事例に対応する試みはなされているようで、それにならって種々試してみましたが問題は解消できませんでした。

多分 Grub に詳しい人なら対応策を考えられるのでしょうが、私には到底無理な話であきらめかけたとき、「Selgei Strelec」というブートISO を見つけました。

https://www.majorgeeks.com/files/details/sergei_strelecs_winpe.html

ロシアの開発者本家サイトは無効になっています。

一体ライセンス問題はどうなっているんだろうと疑念を抱かせる ISO ファイルですが、とにかくありとあらゆるブートメディアがてんこ盛りです。はじめから「Acronis」などのブートソフトが入っており、「TeraByte Image for Windows」や「Macrium Reflect」も含まれているので個々に導入する苦労がありません。(う~ん、やっぱりライセンスはどうなってるんだろ?)

ただ、驚くほどの数のブートソフトやシステムソフトを詰め込んでおり、それだけにサイズも 4GB を超えています。できれば2GB程度のUSBメモリーで運用したいので減量が必要です。

一生絶対使わないようなものは、UltraISO や PowerISO を使って「Selgei Strelec」の ISO ファイルからバッサバッサと削除します。実行ファイルのなかには malware の反応が出るものもありますから、これも遠慮なく削除します。主にフォルダ「MInst」-「Portable」内の不要と思われる実行ファイルが対象です。

 

 

ISOファイル内のフォルダ「MInst」の MInst .exe を使うとツリーを確認しながら削除できます。



これで 1.7GBほどにダイエットできました。頑張ればさらに 500MB 程度削減できそうですが、2GBのメモリーに収容できそうなのでこれで良しとしてます。

これを単純素直に「rufus」で書き込むと、見事にレガシーBIOSでもUEFIでも立ち上がり、目的のアプリケーションを起動することができました。

 

*「rufus」の設定では「パーティション構成」を MBR にします。
ファイルシステムは選択肢に FAT32 はなく NTFSしか選択できませんがこれで大丈夫でした。

ちなみに、「Selgei Strelec」も「Ventoy」や「WinsetupFromUSB」には導入できません。(ブートメニューに表示されてうまくいったように見えても起動できません)